建設部門の技術士が独立して仕事を取る3つのルート|営業は1回だけ

こんにちは、ガブです。

独立を考えたとき、いちばん引っかかるのは「仕事は、本当に来るのか」ではないでしょうか。僕も独立を嫁に話したとき、心配されたのは「仕事は来るの?」でした。

読者

技術士を取って独立しても、仕事ってどこから来るんですか? 営業は苦手なんです……。

ガブ

僕もまったく同じ不安を持っていました。営業が苦手なのは、今も同じです。それでも、仕事のほうから声がかかっています。

なぜ、営業をしない僕のところに仕事が来るのか。僕の場合、仕事が来るルートは3つありました。この先を読むと、あなたにもそのルートがあるかどうかが分かります。


建設部門の技術士が独立したら、仕事は誰から来る?――答えは自治体ではなかった

「独立したら、自治体から仕事をもらうの?」と聞かれることがあります。最初に、この疑問に答えておきます。

自治体の仕事は「会社」に付いている

建設コンサルの仕事は、ほとんどが「会社」に付いています。僕の感覚では9割9分、ほぼ100%と言っていいくらいです。

自治体の予算は、ざっくり言えば「A社にいくら、B社にいくら」と、会社ごとに流れていきます。国交省の業務は、最近は技術提案で選ばれる形が増えています。優秀な技術者がいれば、提案が通って受注につながることもあります。一方、市町村の業務はいまも指名競争入札が中心で、指名に入れるかどうかは会社の実績や規模で決まります。どちらの場合も、会社の看板と枠があって初めて回る仕組みです。

会社員の技術者が「仕事は会社が取ってくるもの」と思い込みやすいのは、この構造の中で働いているからです。

そして僕自身、自治体から直接受けている仕事はありません。独立した技術者が仕事をもらう相手は、自治体ではなく、元請けの建設コンサルです。

独立した技術者は、元請けの「外注先」として受ける

発注の流れを図にすると、こうなります。

発注者から元請けの建設コンサル、外注先へと仕事が流れる図。独立した技術者は外注先の位置にいる
独立した技術者が仕事を受ける相手は、元請けの建設コンサル

僕の仕事は、ほぼ全部がこの「外注先」の位置で受ける、元請けからの外注です。

元請けが受注した業務には、外に出すための「外注枠」があります。その枠の大きさと、独立すると収入が増える理由は年商3,000万円の記事に書きました。この記事のテーマは、その枠が「誰に」回ってくるのかです。

関連記事:技術士で独立して年商3000万円|10年続けた現実

ちなみに、下請けとして受けるぶんには、資格や登録で困ったことは一度もありません。技術士は「名称独占」の資格で、業務独占ではないので、設計の仕事そのものは資格がなくてもできます。技術士が効くのは、名刺を渡したときの第一印象くらいです。資格の話は別の記事でくわしく書きます。

下請けの世界は、実力で選ばれる

元請けの仕事は、会社の仕組みで決まります。ところが、独立した外注先の世界は、ほぼ実力だけで決まります。

技術力があって、人柄もいい。そういう人には、まず相談が来ます。

相談が来る → 仕事が増える → 信頼が増える

この循環が回り出すと、仕事は自分で探さなくても入ってくるようになります。この記事で書く3つのルートは、どれもこの循環の上に乗っています。

いまは元請けのほうも、技術者が足りていません。だから元請けが欲しいのは「自分たちの仕事を肩代わりしてくれる人」です。実力のある下請けは、正直、取り合いになっていると感じます。

それから、分野を絞って生き残っている人もいます。積算だけ、橋梁撤去の設計だけ、施工計画だけ。そういう人が、何年も業界で普通に仕事を続けています。「この分野ならこの人」というポジションが取れれば、十分やっていけます。

ただし、実力があるだけで声がかかるわけではありません。元請けが外注を出す相手には、実力とは別に、もうひとつ条件があります。外注を「出す側」にいたころの、僕の本音から書いていきます。

元請けは、どんな外注先に仕事を出したいのか?――出す側にいた僕の本音

先に独立した彼に、僕から仕事を頼んだ

「今後は独立してやっていきます」

僕より先に独立した同業の技術者が、会社を辞めるときにくれた退職のメールです。彼とは、もともと技術提案の場で顔を合わせ、業務が関連するたびに電話やメールでやり取りする仲でした。

当時の僕は、元請けの建設コンサルで年間約6,000万円の業務を回していました。つまり、外注先に仕事を「出す側」です。ちょうど手元に新規業務があったので、僕から「こういう業務があるんですが、やりませんか」と声をかけました。僕が元請け、彼が下請け。その関係は、そこから始まりました。

なぜ頼めたのか。彼の仕事ぶりを知っていたからです。それ以外に理由はありません。

この「仕事ぶりを知っているから、頼める」という感覚は、数年後、そのまま独立した僕自身に返ってきました。出す側から見ると、なぜ紹介と口コミでしか仕事が回らないのかが、よく分かります。

頼みたくなかった外注先

逆に、頼みたくなかった外注先もいます。

ボルト1本の配置まで聞いてくる。部材の名前も分からない。こうなると、1から10まで全部教えることになります。それでは、外注した意味がありません。

元請けが外注に求めているのは、成果品だけではありません。自分たちの時間を減らしてくれることです。1を言えば、技術的なことを考えて10まで形にしてくれる人。出す側は、そういう人に頼みたいんです。

そして出す側は、一度の成果品で「次も頼むか」を決めます。だから、知らない技術者がいくら「できます」と言っても判断のしようがなく、仕事ぶりを知っている人に出すことになります。

僕も独立直後は不安で、元請けのコンサルを何社か営業して回りました。声がかかったのは1社だけで、その1本が地雷案件でした。それに懲りて、以降は営業をしていません。その場面は、こちらに書いています。

関連記事:建設コンサルで営業をせず10年以上仕事が続いた理由

関連記事:技術士で独立して年商3000万円|10年続けた現実

書いている人

ガブ|建設コンサルの技術者として独立して10年ほど。専門は、橋の補修設計。

  • 社員ゼロ・事務所ゼロ・営業ゼロ
  • 独立10年、年商3,000万円前後で安定
  • 業界歴24年(会社員14年+独立10年)
  • 29歳で国家資格の技術士

では、営業をやめた僕のところへ、仕事はどこから来たのか。ここから、3つのルートを順番に書きます。

辞めた会社・会社員時代の人脈、商社・メーカー・調査会社からの紹介、一緒に仕事をした元請けからの次の仕事、の3つのルート

ルート1:辞めた会社と人脈――実績ゼロでも、最初の1本は来た

退職のメールが、最初の営業になった

会社を辞めるとき、僕は知っている元請けの建設コンサルやメーカーの人たち全員に、退職と独立のメールを送りました。

すると、「応援します」「開業したら連絡くださいね」と返事が来ました。独立してからそこへ連絡したら、仕事が来ました。やったのは、本当にそれだけです。

独立前にやるべきことは、営業先を探すことではありませんでした。誰が自分の仕事を知っているかを思い出すことです。

「お祝いに1本」と、自分からかけた電話

独立した直後、会社員時代の先輩や同僚が「独立したんだから、お祝いに1本」と仕事をくれました。

僕からも、昔の同僚に電話をかけました。会社員時代の仲間は、それぞれ別々のコンサルに散っています。そこへ「独立したんだけど、いい仕事ない?」と声をかけたら、実際に何件か仕事になり、そこからお付き合いが始まりました。

実績ゼロの個人に、なぜ最初の仕事が来たのか。相手が、僕の仕事ぶりを知っていたからです。営業トークは要りませんでした。

辞めた会社が、今もお客さんでいてくれる

辞めた会社には、正直、不満もありました。でも、それは飲み込んで、円満に辞めました。

社長に退職を伝えたとき、「いろいろ応援するから大丈夫だよ」と言ってもらえました。その言葉どおり、独立してすぐに仕事をくれて、今も毎年仕事をもらっています。元請けだから手に入る資料を送ってくれたり、高価な橋梁の設計ソフトを使わせてもらえたりもしています。これには本当に助けられています。

もしあのとき、不満をぶつけて辞めていたらと思うと、少し怖くなります。仕事が来ないだけではすみません。悪い口コミは「あの人、辞め方がちょっとね」という、否定しきれない曖昧な言葉で広がります。本人には聞こえないまま、仕事の選択肢だけが静かに減っていく。それが一番怖いところです。

円満に辞められて、ほっとしています。

関連記事:建設コンサルが営業より先に作るべき「信用」の積み上げ方

なお、辞める前に、就業規則や誓約書に競業避止(退職後に同業をしない約束)の定めがないかは読み直しておいてください。僕はサインを求められませんでしたが、会社によって扱いが違います。辞め方は別の記事でくわしく書きます。

関連記事:技術士の独立、辞め方は?建設コンサルを円満に辞めた順番

見積もりの前の晩、眠れなかった

「お祝いの1本」には、橋脚の補修が入っていました。会社員時代、補修設計は2〜3本しかやったことがなかった僕は、橋脚の補修をやったことがありませんでした。

関連記事:技術士で独立して年商3000万円|10年続けた現実

いくらで見積もればいいのか、まったく分かりません。安く出したら甘く見られる。高く出したら「分かってないな」と思われる。前の晩はほとんど眠れず、結局「難しそうだから」と自分に言い聞かせて、少し高めで出しました。

翌日、電話が鳴りました。

「ちょっと橋脚の単価、高くない?」

責めるような言い方ではなく、諭すような口調でした。それでも胸がドキッとして、信用を失ったかもしれない、という考えが頭をよぎりました。

でも、相手は顔見知りの先輩です。恥ずかしかったけれど、「いくらぐらいだったらいいか、教えてくれませんか?」と正直に聞きました。

「まあ、大体これぐらいが適切だと思うよ」と、あっさり教えてくれました。その金額で出し直して、仕事はそのまま普通に進みました。めちゃくちゃ安心したのを覚えています。

知っている人からの仕事は、分からないことを聞けます。これも、人脈ルートの強さです。見積もりの値の付け方は、単価の記事にまとめます。

関連記事:技術士の外注単価は時給5,000円?見積書7枚で見る単価の決め方

あの晩の不安を電話一本で消してくれたのは、会社員時代から僕を知っている先輩でした。独立できる技術者には、会社員のうちから現れる「前兆」があります。無料の小冊子にまとめました。

ルート2:商社・メーカーや調査会社からの紹介――営業しないのに、なぜ声がかかる?

「下請けがなくて探していた」と聞いて、一言頼んだ

「どこどこのコンサルが忙しいらしい」
「下請けがなくて探していた」

独立してからも、資材を扱う商社やメーカーの人が、営業で僕のところへ来てくれます。そこで話すのは、だいたいこういう業界の話です。彼らはいろいろな会社に出入りしていて顔が広いので、こういう声が自然に集まってきます。

あるとき、そう聞いたので「じゃあ今度、僕のこと紹介しておいてよ」と一言頼みました。すると本当に、その会社の部長さんを紹介してくれたんです。部長さんから連絡が来て1本受け、そこから今ではとても大事なお得意さんになっています。

これが2つ目のルートです。僕は営業をしていません。でも、業界話の中で一言頼むだけで、横のつながりから紹介は生まれます。

異動した商社の人が、つないでくれた縁

道内で親しくしていた商社の方が、本州の支店に異動しました。そこで出会った下請け会社の部長さんに僕の話をしてくれて、紹介してもらったことがあります。

部長さんの会社は、複雑でレベルの高い橋の設計を手がけていました。正直、僕は萎縮して、「その設計は僕には対応できません」とそのまま伝えました。

ところが部長さんは、計算や図面は得意だけれど、上流の計画や設計ができる人がいない、そこができるのがうらやましい、と言ったんです。後日、旅行中の僕に、難しい解析について意見を求めるメールまで届きました。

このとき気づいたのは、ハイレベルな設計ができなくても、独立して食べていけるということです。そして、元請けで身につけた「上流(計画・設計方針)を考える力」が、外注先としての自分の強みになっていたことにも、ここで初めて気づきました。

調査会社の下請けで入った仕事が、元請けとの直接の取引になった

橋梁補修では、調査会社と組むことがよくあります。独立して4年目ごろ、ある元請けが橋梁補修の調査を調査会社に頼み、その調査会社の方と知り合いだった僕に「設計を手伝ってほしい」と依頼が来ました。

僕は調査会社の下請けとして入りました。でも「打ち合わせには僕も同席させてほしい」とお願いして、元請けと直接、設計のやり取りをしました。それが評判になって、翌年からはその元請けから直接、設計の依頼が来るようになりました。

「それって、間に入っていた調査会社に悪くない?」と思うかもしれません。調査会社とは、今も関係は悪くありません。お互い忙しいときは受けられないこともあるので、受けられるときに受けるというスタンスです。実力勝負の世界なので、険悪になったことは一度もありません。

打ち合わせで先回りした資料を出した場面は、こちらに書いています。

関連記事:建設コンサルで営業をせず10年以上仕事が続いた理由

関連記事:建設コンサルの独立は紹介だけで仕事が回る?受注が続く人の共通点

自分から営業しなくても、現場での仕事ぶりが営業してくれる。2つ目のルートは、そういう経路です。

ルート3:一緒に仕事をした元請けからの「次」――1本で終わらず、仕事が続くわけ

「これもできる?」と聞かれるようになった

「これもできる?」

図面と数量だけを頼まれていた元請けから、そう聞かれるようになりました。図面より上流の、補修計画の相談です。「できます」と答えると、「じゃあ、これも」。最後は、計画から設計まで丸ごと任されるようになりました。

これが3つ目のルートです。一度つながった元請けから、仕事が続き、広がっていく。今の僕の仕事の多くは、ここから来ています。

図面だけの仕事でも、補修メニューまで見る

きっかけは、図面だけの仕事でも、補修メニューまで見るようにしていたことです。

下請けには、言われたとおりに図面を描くだけの会社がたくさんあります。それでは単価は上がりませんし、指示が来るまで手が止まるので、仕事を自分でコントロールできません。

僕は、図面と数量だけの依頼でも、点検調書や過去の成果をなるべく全部読みます。そのうえで、補修メニューが損傷の原因に合っているかを確かめ、気づいたことは提案します。

たとえば、当初の設計で橋台の補修だけが上がっていても、損傷の原因が伸縮装置からの漏水なら、伸縮装置の補修も必要です。図面だけ描いて納めても、後でやり直しになるのは目に見えています。

伸縮装置からの漏水が原因で橋台が傷む模式図と、橋台の補修だけの場合と伸縮装置の補修も追加する場合の比較
損傷の原因まで見て、補修メニューを提案する

これを続けていたから、「これもできる?」が来るようになりました。今では、取引先の元請けのうち3〜4割くらいの会社が、計画・設計計算・協議の資料・報告書まで、考える部分をまとめて任せてくれています。

図面・数量だけから、補修計画まで、計画から設計まで丸ごとへと仕事が広がる階段図

計算や計画まで引き受けると、同じ橋でも受け取れる金額が変わります。金額の例は単価の記事に、一式を丸ごと請け負ったときの金額感は年商3,000万円の記事に書いています。

関連記事:技術士の外注単価は時給5,000円?見積書7枚で見る単価の決め方

関連記事:技術士で独立して年商3000万円|10年続けた現実

困った元請けからの依頼も、このルートで来ます。年商3,000万円の記事に書いた「真っ赤っかの成果品」の手直しも、そのひとつです。ほかの下請けが納めた成果品を、1週間ほどかけて直し、70〜80万円の仕事になりました(単価は会社によって異なります。あくまで僕の場合の一例です)。

関連記事:技術士で独立して年商3000万円|10年続けた現実

「別件の相談」が来たら、それが次の仕事の入口

一緒に仕事をしていると、請けている業務とは別に「今度こんな業務が来るんだけど、どう考える?」と聞かれるようになります。

最初にその相談が来たとき、僕はうれしかったです。技術力を信頼してもらえた証拠だからです。相談にきちんと答えたら、「あのときの助言で受注できました。これもお願いしますね」と、その業務を振ってもらえたこともあります。

連絡やメールの返事は、すぐに返すようにしています。ただ、技術的な判断は、調べて確かめてから答えます。急いで適当に答えるより、そのほうが信頼につながると思っています。

仕事は、相談を受けることから始まります。

できない仕事は断っても、次は来た

独立して2年目のころ、耐震補強の依頼をいただいたことがあります。自分の力量に自信がなく、「ご迷惑をおかけしたくないので、今回は見送らせてください」と正直に伝えて断りました。

怖かったです。断ったら、もう声がかからないかもしれない。でも、次の仕事はすぐに来ました。相手も、特に気にしていない様子でした。

浅い知識で受けて迷惑をかけるほうが、ずっと信用を失います。今でも忙しくて断ることはありますが、「じゃあ、またよろしく」と言われて、次の業務がちゃんと入ってきます。

角を立てない断り方は、こちらに書いています。

関連記事:建設コンサルが仕事を断れない理由と、角を立てずに断る方法

伸縮装置からの漏水を例に、補修メニューの考え方を図面見本と一緒に書いています。→ 「伸縮装置の漏水」を、本体が原因だと決めつけていませんか?

前の会社の看板がなくなったら、仕事は来ないのでは?

どのルートも、僕の仕事を見た人から始まっていた

3つのルートを並べて振り返ると、共通していることがひとつあります。

辞めた会社、会社員時代の先輩や同僚、商社の方、調査会社の方、一緒に仕事をした元請け。どれも、僕の仕事ぶりを直接見た人か、その人から話を聞いた人でした。

裏を返すと、こういうことです。

会社の看板で仕事をもらっているうちは、独立しても仕事は来ません。

「前の会社の看板がなくなったら、仕事は来ないのでは」という不安もよく聞きます。でも、たとえば仕事のよくできるAさんがいたとして、仕事はAさんがその会社にいるから来ているわけではありません。Aさんが別の会社に移っても、仕事はAさんについていきます。

関連記事:技術士で独立か転職か迷ったら|仕事は会社でなく人に付く

メインの取引先は4社。人脈は仕事のあとについてきた

僕の場合、メインの取引先は4社です。この4社で、受注額のほとんどがまかなえています。実際のところ、売上の目標だけなら3社もあれば十分です。それでも、お付き合いで声をかけてもらうことがあるので、ときどき別の会社の仕事も受けています。どの会社も、ここまでの3つのルートのどれかから始まっています。

人脈は、自分から広げたというより、仕事のあとについてきたものです。

接待は、一度もしていません。お歳暮だけは、毎年お客さんに送っています。

関連記事:接待ゼロ。僕が「5000円のお歳暮」だけで100万の仕事を獲る黒い理由

逆も同じです。悪い評判も、同じ経路で静かに広がっていきます(年商3,000万円の記事の「独立してうまくいかなかった人の共通点」に書きました)。

関連記事:技術士で独立して年商3000万円|10年続けた現実

自分にもルートはあるだろうか?――会社員のうちに確かめておくこと

「自分には、そんなルートがあるだろうか」と思った方へ。会社員のうちに確かめておけることを書きます。

独立に要るのは2つ:業務1本を一人で回せる腕と、人脈

「20年会社に勤めた土木技術者が、独立して食べていけるのは稀なのか」と聞かれることがあります。僕は、稀ではないと思っています。要るのは2つです。

1つ目は、腕。会社で業務を1本、最初から最後まで一人で回せているなら、腕は足りています。腕の中身(計算と図面を自分でできること)は、年商3,000万円の記事に書きました。

2つ目は、人脈です。どれだけ腕があっても、人脈がなければ仕事は来ません。ここからは、人脈=ルートの入口の側を3つ書きます。

退職のメールを、誰に送れるか

元請け、下請け、商社、メーカー、調査会社。今の仕事で、あなたの名前と仕事ぶりを知っている人は、どの会社に何人いるでしょうか。今は、思い浮かべるだけで十分です。

自分の名前で仕事が来ているかどうかを確かめるサインもあります。会社員のうちから、契約している業務の外で、発注者やほかの会社の技術者から「こういうときはどうすればいい?」と相談の電話が来るかどうかです。契約の外で相談が来る人は、その時点で、もう仕事が生まれています。

図面と計算は前提。そのうえで「上流」まで考えられるか

計算と図面を自分でできることは、独立の大前提です(年商3,000万円の記事の「『計算と図面』を外注している人は危ない」に書きました)。

関連記事:技術士で独立して年商3000万円|10年続けた現実

そのうえで、紹介される人と、されない人を分けるのが、上流(計画・設計方針)まで考えられるかどうかです。

図面と数量だけを描ける下請けはたくさんいますが、考える部分までできる下請けは、あまりいません。上流の考え方は元請けにいないと身につきにくく、元請けから下請けになる人もそう多くないからです。本州の部長さんの話も、元請けの「これもできる?」も、理由は同じです。

上流だけでいい、という意味ではありません。計算と図面ができて、さらに上流まで考えられる人に、紹介は集まります。

外注を出す側の目で、周りを見ておく

元請けにいるなら、どの外注先が選ばれて、どこが選ばれなくなったかを間近で見られます。

いい外注先や、図面の上手なパートさんとのつながりは、独立したあと、自分が頼る側になったときにも効きました。「会社員のうちに、もっとつながっておけばよかった」と、今は思っています。


まとめ:仕事は「どう取るか」より「誰から来るか」

建設部門の技術士として独立して10年ほど。仕事が来るルートを振り返ると、こうなります。

  1. 建設部門の独立技術者の仕事は、ほぼ元請けからの外注で来る(自治体から直接ではない。外注枠の話は年商3,000万円の記事へ)
  2. 入口は3つ:辞めた会社と会社員時代の人脈/商社・メーカー・調査会社からの紹介/一緒に仕事をした元請けからの「次」
  3. どのルートも、会社員の今の仕事ぶりから始まっている

営業が苦手な僕でも、仕事は来ました。ただそれは、会社員時代の14年があったからです。

だから、今すぐ独立しなくても大丈夫です。今の職場で、誰があなたの仕事を見ているか。それを確かめるところから始めてみてください。

仕事が来る側に、もう立っているかもしれない

退職のしかたから、紹介が続くまで。僕が独立の前後でやったことを、無料の小冊子『独立前兆』にまとめました。今の立ち位置がわかる「10問の独立診断チェック」も入っています。

関連記事

※本記事は2026年10月時点の、僕個人の経験と理解にもとづいています。退職時の約束(競業避止など)や契約の個別の判断は、弁護士などの専門家にご相談ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!