こんにちは、ガブです。
僕は建設コンサルの技術者として独立して10年になります。専門は、橋の補修設計です。
実績としては、
- 社員ゼロ・事務所ゼロ・営業ゼロ・残業ゼロ
- 独立10年、年商3,000万円を安定
- 業界歴24年(会社員14年+独立10年)
- 29歳で国家資格の技術士
という働き方で、平日の昼にボートを出したり、子どもの長期休みに合わせて何週間も旅に出たりしています。
いまは、同じように独立を考えている技術者に向けて、自分の体験を書いています。
先日、ある建設コンサルタントの技術者から、「個人的な相談があるんですが」と連絡をもらいました。
喫茶店でお会いしたその方(仮に、Cさんとします)は、55歳のベテラン技術者。鋼橋を専門とする東京の下請け会社で働いていて、家族を地元に残し、単身赴任をしているとのことでした。
コーヒーを一口飲んで、Cさんはこう切り出しました。
「・・・本当は、地元に戻りたいんです」
最初は、1時間くらいで終わる軽い相談だと思っていました。でも、気づけば2時間が経っていました。それでも、Cさんはまだ話し足りない様子でした。
話を聞いていくと、Cさんが地元に戻って独立するのをためらっているのには、「5つの理由」があることが分かりました。
でもこれ、独立前の技術者が全員陥る、完全なる「思い込み」だったんです。
思い込み①「地元に人脈がないんです」
Cさんは言いました。「地元には、仕事をもらえそうな知り合いがほとんどいないんです」と。
確かに、独立するなら人脈は大事です。でも、よくよく話を聞くと、Cさんには東京の大手から中小コンサルまで、鋼橋関係の知り合いが山ほどいました。
だから僕は、素朴な疑問をぶつけました。
「え、なんで地元の仕事だけやろうとしてるんですか?」
今はリモートでどこでも仕事ができる時代です。現地調査や打ち合わせが必要なときだけ、東京に出張すればいい。地元に住みながら、今まで通り東京の仕事を受けたって、何も問題ないんです。
(実際、僕も片道7時間かかるような北海道の端っこの仕事をしていますが、それなら飛行機で東京へ行く方が早いくらいです)
するとCさんは、「あっ、なるほど・・・」と少し顔を上げました。
思い込み②「独立したら、計算ソフト代がキツくて」
次に飛び出したのは、お金の話です。
「でも、自分でやるとなると、計算ソフトのライセンス代が高くて・・・」
たしかに、ソフト代は安くありません。(コンサル向けのソフト、なんであんなに高いんですかね。足元見すぎじゃないですかね)
でも、そこが問題の本質じゃありません。僕は言いました。
「それは、ソフト代以上の売上を作れるかどうかの問題ですよね。ちなみに今、会社ではCさん一人でどれくらいの売上を回してるんですか?」
「だいたい、1,000万円くらいですかね」
1,000万円。独立できない数字じゃありませんが、経費を引くと余裕は少なめです。
「だったら、やり方を少し工夫して、1,500万円くらい作れる仕事の取り方を考えればいいだけですよ」
ソフト代をケチるのではなく、それを回収して余りある売上の作り方を考える。そう伝えると、Cさんはまた「なるほど」と頷きました。
思い込み③「大手コンサルの案件だから、一人じゃ無理です」
さらに話は続きます。
「今やっているのは大手コンサルの案件で、プロジェクトが大規模なんです。とても一人じゃ回せません」
これも、独立前の技術者あるあるです。「ひとつの業務を、最初から最後まで一人で完結させなきゃいけない」と思い込んでいるんです。
「Cさん、全部やろうとするから無理なんですよ」
橋梁補修一つとっても、「現地調査」「補修計画」「構造計算」「図面作成」「数量計算」など、工程は細かく分けられます。一人社長なら、全部を受ける必要はまったくありません。
「図面だけ」受けてもいい。「計算だけ」受けてもいい。自分が得意なパーツだけを切り出して受ければ、大規模案件だって一人で十分に関われます。
思い込み④「上流工程の経験がなくて不安です」
Cさんは図面も描けるし、計算もできる。技術力は申し分ありません。でも、深掘りしていくと、本当の不安が見えてきました。
「補修計画の立案とか、課題抽出とか、そういう『上流工程』の経験が少なくて・・・」
独立できないんじゃなくて、上流工程に自信がなかったんです。
これに対する僕の答えは、身も蓋もありませんでした。
「あ、それは一回やればできるようになりますよ」
僕だって、最初から完璧にできたわけじゃありません。ただ「やったことがあるか、ないか」の経験の差でしかない。足りないなら、独立してから身につければいいだけの話です。
思い込み⑤「僕はもう、55歳ですから」
そして最後に出てきたのが、この言葉でした。
「・・・でも、僕はもう55歳ですからね。いまさら遅いんじゃないかと」
これを聞いたとき、僕は思わず笑ってしまいました。(ごめんなさい、Cさん)
「いやいや、逆ですよ!」
これからの建設コンサル業界、ベテランはどんどん引退していくのに、若い人は全然入ってきません。つまり、Cさんのように現場を知り尽くした技術者の価値は、これから爆上がりするんです。
「55歳なんて、弱みどころか最大の武器じゃないですか」
そう伝えたとき、Cさんの表情から、重たい雲がサッと晴れたのが分かりました。
年収約900万のオファーを断った、本当の理由
実はCさん、知人から「うちの会社に来ないか」と誘われていたそうです。
年収は約900万円。今よりずっと高い、破格のオファーです。でも、Cさんは乗り気じゃありませんでした。
なぜか?
「今の会社では部長だから、自分の裁量で動けるんです。でも転職したら、その知人の部下になる。それが嫌なんですよね」
この言葉を聞いて、僕は確信しました。
Cさんが欲しいのは、年収じゃないんです。
「自由」と「裁量」なんです。自分の人生を、自分で決められる働き方。
そして何より、単身赴任を終えて、地元の家族と一緒に暮らす未来。
独立は、そのための「ただの手段」にすぎないんですよね。
相談が終わって、気づいたこと
2時間、いろんな話をしました。人脈、売上、年齢、上流工程、転職。
でも振り返ってみると、僕がやったのは「独立のノウハウを教えること」じゃありません。Cさんを縛り付けていた5つの思い込みの鎖を、一つずつ外していっただけでした。
鎖が外れるたびに、Cさんの顔は目に見えて明るくなっていきました。
独立したい技術者にまず必要なのは、税務の知識でも法人設立の手続きでもありません。
「下請け技術者の視点から、抜け出すこと」です。
自分の価値を正しく知る。働き方の選択肢を知る。それだけで、見える未来はまったく変わります。
そして、今の僕は、あの頃のCさんが欲しがっていた「家族との時間」と「裁量」を、独立によって手に入れました。平日の昼間にボートに乗ったり、1ヶ月かけて旅に出たり。
もしあなたも、Cさんと同じように「自分には無理なんじゃないか」と思い込んでいるなら。まずは、その鎖が本当に外れないものなのか、確かめてみませんか?
僕の14年の会社員生活と独立10年の経験を全部詰め込んだ、『独立前兆(どくりつぜんちょう)』という無料の小冊子を作りました。
あなたが今、独立に向けてどのくらい準備ができているか、10問でわかる独立診断チェックも入っています。Cさんのように「年齢が…」「人脈が…」と悩んでいるなら、きっとこのチェックが、あなたの思い込みを外すきっかけになるはずです。
誰かに相談する前に、まずは自分自身で「いまの立ち位置」を確認してみてください。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
あなたの技術者としての価値は、あなたが思っているより、ずっと高いはずですよ。
ガブ

