ガブリエル・やんちゃボーイである。
最近、主人の様子がおかしい。
独立してからだ。
どうも羽振りが良くなったらしい。
昔は違った。
旅行の時は大量のカリカリと水。
たまに嫁さんの姉が様子を見に来る。
それが基本だった。
しかし最近は違う。
旅行に行く時はペットホテルに預けられる。
しかもその前に予防接種である。
余計なお世話だ。
俺は家が好きなのだ。
知らない場所は嫌いだ。
知らない猫も嫌いだ。
知らない犬はもっと嫌いだ。
だが主人は言う。
「ガブのためだからな。」
たぶん違う。
自分が安心して旅行したいだけである。
そして旅行先でも何か変なことをしている。
神社に行く。
山に行く。
滝を見に行く。
岩を見に行く。
木を見に行く。
帰ってくると、
「すごかったぞ。」
と言う。
何がすごかったのかは知らない。
俺はその間ずっとホテルで寝ていた。
そして主人は変な物を買ってくる。
ブレスレットである。
石の塊である。
腕に付けて喜んでいる。
猫には理解できない。
しかし本当に理解できないのは、その後だった。
主人は突然、
招き猫を集め始めた。
一つや二つではない。
どんどん増える。
棚の上に並ぶ。
玄関に置く。
机にも置く。
俺は思った。
猫ならここにいる。
しかも聞いた話によると、
一つ五万円くらいするらしい。
五万円。
俺のカリカリなら何年分だ。
人間とは不思議な生き物である。
本物の猫がいるのに、
猫の置物を買う。
ある日。
事件は起きた。
俺は棚の上を歩いていた。
いつものことである。
猫として正常な行動だ。
すると招き猫がいた。
邪魔だった。
だから落とした。
ガシャーン。
静寂。
しばらくして主人が飛んできた。
主人は固まっていた。
招き猫。
俺。
招き猫。
俺。
招き猫。
俺。
何度も見比べている。
だが証拠はない。
事故である。
俺は関与していない。
たぶん。
主人はその後、
シクシクしながらボンドで修理していた。
何時間もだ。
俺は横で見ていた。
そんなに大事なら、
棚の上に置かなければいいのではないか。
数日後。
主人は言った。
「まあ、仕方ないか。」
そして。
また新しい招き猫を買っていた。
学習能力がない。
人間とは実に不思議な生き物である。
だが主人は昔より楽しそうだ。
旅をして。
神社を巡って。
招き猫を集めて。
ニヤニヤしている。
俺にはよく分からない。
だが、まあ。
俺のカリカリも昔より豪華になった。
それなら良しとしよう。
キャキャキャキャ。
— ガブリエル・やんちゃボーイ 🐾
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