こんにちは、ガブです。
僕は建設コンサルの技術者として独立して10年になります。専門は、橋の補修設計です。
実績としては、
- 社員ゼロ・事務所ゼロ・営業ゼロ・残業ゼロ
- 独立10年、年商3,000万円を安定
- 業界歴24年(会社員14年+独立10年)
- 29歳で国家資格の技術士
という働き方で、平日の昼にボートを出したり、子どもの長期休みに合わせて何週間も旅に出たりしています。
いまは、同じように独立を考えている技術者に向けて、自分の体験を書いています。
奄美大島から函館に帰ってきた。
10日間ほど南の島に滞在して、シュノーケリングをしたり、海を眺めたり、のんびりした時間を過ごしてきた。
さすがに帰ってきたばかりなので、しばらくは仕事モードかな……と思っていた。
ところが。
函館に戻ってきたら、今度はイカが釣れ始めたらしい。
「そろそろイカ釣りに行くか。」
そう思った。
やっぱり海が好きなのだ。
奄美大島であれだけ海に入ってきたのに、函館に戻ってきたら、また海に出たくなる。
そこで、一昨日、久しぶりに自分のボートを出してイカ釣りに行くことにした。
ところが、この日の釣行は思わぬ展開になった。
1ヶ月ぶりにエンジンをかける
ボートに乗るのは約1ヶ月ぶり。
しばらく海に出ていなかったので、まずはエンジンをかける。
「ちゃんとかかるかな?」
少しだけそんなことを思いながら、エンジンを始動。
すると、普通にかかった。
特に変な音もしない。
エンジンそのものは問題なさそうだ。
「よし、行けるな。」
そう思って、そのまま出航した。
久しぶりの海。
やっぱりボートは気持ちいい。
港を出て、少しずつスロットルを開けていく。
ところが……
「あれ?」
なんか、おかしい。
20ノット出るはずなのに、8ノットしか出ない
いつもなら、普通に走れば20ノット近くまでスピードが上がる。
ところが、この日は違った。
いくらスロットルを開けても、なかなか回転数が上がらない。
そして、スピードも上がらない。
「ん?」
さらにアクセルを入れてみる。
しかし……
8ノットくらいで止まってしまう。
「……なんだこれ?」
20ノット近く出るはずのボートが、8ノット。
さすがにおかしい。
最初はプロペラ周りを疑った。
プロペラの向きを変えてみたり、いろいろ操作してみる。
何か引っ掛かっているのか?
プロペラに問題があるのか?
エンジンの調子がおかしいのか?
いろいろ試してみる。
でも、状況は変わらない。
8ノットくらいまでは出る。
しかし、そこから先がまったく伸びない。
「これはちょっと怖いな……。」
沖に出るのはやめておこう
今回の目的はイカ釣り。
当然、イカが釣れるポイントまで行かなければならない。
でも、そのポイントは沖だ。
8ノットしか出ない状態で、沖まで行くのはちょっと怖い。
もし沖でエンジンに何かあったら?
もし帰りにさらに調子が悪くなったら?
釣りどころではない。
こういうときは、無理をしない。
「今日はやめておこう。」
そう判断して、そのままマリーナへ戻ることにした。
せっかく久しぶりにボートを出したのに、イカ釣りは中止。
ちょっと残念ではある。
でも、海では「なんかおかしいな」と思ったときに無理をしないことが一番大事だ。
整備士さんに相談してみた
マリーナに戻って、整備士さんに状況を説明した。
「エンジンはかかるんですけど、回転数が上がらなくて、8ノットくらいしか出ないんですよ。」
すると、整備士さんから意外な答えが返ってきた。
「船底じゃないですかね。」
「船底?」
どうやら、エンジンそのものではなく、船底に問題がある可能性が高いらしい。
船は海に浮かべている。
当たり前だけど、ずっと海水の中に浸かっている。
すると、船底には少しずつ海藻や貝類、フジツボなどが付着していく。
特に、しばらく船を動かしていないと、その付着物がどんどん増えていく。
そして船底が汚れてくると、水の抵抗が大きくなる。
つまり、
「船は前に進もうとしているのに、水の抵抗が大きすぎて進まない」
という状態になる。
その結果、スピードが出ない。
そして、スピードが上がらないから、エンジンの回転数も上がらない。
なるほど。
言われてみれば、確かに納得できる。
犯人はフジツボだった
どうやら今回の原因は、エンジンではなく船底の汚れ。
そして、その中でも厄介なのがフジツボだ。
海の中に置いているだけで、いつの間にか船底にびっしり付いてくる。
人間からすると、
「そんな小さな貝が付いたくらいで?」
と思うかもしれない。
でも、それが積み重なると、水の抵抗はかなり大きくなる。
結果として、20ノット近く出るはずのボートが8ノット。
これはさすがに困る。
ということで、船を一度上架することになった。
船を陸に上げて、船底をきれいに掃除する。
そして、そのまま船底塗装もする。
結局この日は、イカ釣りではなく、船底メンテナンスの話になってしまった。
(笑)
でも、帰り道にふと思った
まあ、今回は仕方がない。
船底をきれいにすれば、また海に出られる。
そう思いながらマリーナを後にした。
でも、車を運転しながら、ふと別のことを考えていた。
「俺、普通に平日の昼間からボートに乗ってるな。」
よく考えてみれば、これって結構すごいことなのかもしれない。
ついこの前まで奄美大島にいた。
10日間ほど南の島で海を楽しんでいた。
そして函館に帰ってきたと思ったら、
「イカが釣れ始めたらしいから、今度は函館でイカ釣りに行こう。」
となっている。
しかも、
「仕事があるから行けない」
という話ではない。
海況を見て、
「今日は行けそうだな。」
と思えば行く。
逆に、
「今日は風が強いな。」
と思えばやめる。
今回みたいに、
「なんかボートがおかしいな。」
と思えば、沖に出るのをやめる。
誰かに休みを申請する必要もない。
会社に、
「明日、イカ釣りに行きたいので休ませてください。」
とお願いする必要もない。
自分で仕事をしているから、自分で時間を決められる。
ボートに乗れることが贅沢なのか?
ボートを持っている。
そう言うと、
「いいですね。贅沢ですね。」
と言われることがある。
確かに、ボートは安い買い物ではない。
維持費もかかる。
燃料代もかかる。
今回みたいにフジツボが付けば、船を上架して、船底を掃除して、塗装もしなければならない。
だから、単純に考えれば「お金のかかる趣味」だ。
でも、今回改めて思った。
僕にとって本当の贅沢は、ボートそのものじゃないんじゃないか。
本当の贅沢は、
「乗りたいと思ったときに、乗れること」
なんじゃないか。
天気がいい。
海況もいい。
ちょうどイカが釣れ始めた。
じゃあ、行ってみよう。
それができること。
僕が本当に欲しかったのは、たぶんボートそのものではなく、
「自分の時間を自分で決められる生活」
だったんだと思う。
会社員だった頃は、それができなかった
会社員だった頃を思い出す。
朝になったら会社へ行く。
決められた時間まで仕事をする。
休日になって、
「明日は休みだ!」
と思う。
でも、どれだけ天気が良くても、仕事があれば海には行けない。
逆に、ものすごく天気が良くて、
「今日こそ海に出たい!」
と思っても、仕事があれば行けない。
当たり前のことだ。
会社員なら、それが普通だ。
僕自身も、長い間それを普通だと思っていた。
でも、独立してから、その「普通」が少しずつ変わっていった。
独立して、手に入ったもの
独立したからといって、楽になったわけではない。
むしろ、最初の頃は大変だった。
仕事を取らなければならない。
営業もしなければならない。
お客さんとの関係も、自分で作らなければならない。
売上がなければ、自分で何とかしなければならない。
会社員なら会社が背負ってくれていた責任まで、自分で背負うことになる。
だから、
「独立=楽」
なんて、僕はまったく思わない。
でも、それでも独立して良かったと思う。
なぜか。
仕事をする。
もちろん仕事はする。
でも、仕事だけが人生ではなくなったからだ。
海に行く。
旅行に行く。
ボートに乗る。
家族との時間を過ごす。
そして、また仕事をする。
その順番を、自分で決められるようになった。
これが、僕が独立して一番良かったと思っていることかもしれない。
独立の目的は「会社を辞めること」じゃない
独立したいという人と話していると、
「会社を辞めたい。」
という話を聞くことがある。
上司が嫌だ。
人間関係が嫌だ。
給料が上がらない。
会社のやり方に納得できない。
残業が多い。
もちろん、そういう気持ちが独立のきっかけになることはある。
僕だって、会社員時代にいろいろと思うことはあった。
でも、今振り返ってみると、
独立の本当の目的は、会社を辞めることではなかった。
自分の人生を、自分で決められるようにすることだった。
「明日、海に行こう。」
と思ったときに行ける。
「ちょっと南の島に行ってみよう。」
と思ったら、実際に行ける。
「今日は仕事をしよう。」
と思えば仕事をする。
「今日は休もう。」
と思えば休む。
そんなふうに、
自分の人生のハンドルを自分で握る。
僕にとっての独立は、そういうものだった。
自由には、もちろん責任がある
ただし、ここは誤解してほしくない。
自由には、必ず責任がある。
会社員なら、毎月ある程度決まった給料が入ってくる。
独立したら、そうとは限らない。
自分で仕事を作らなければならない。
自分で価値を提供しなければならない。
自分でお客さんを見つけなければならない。
だから、
「自由になりたいから独立する」
だけでは、なかなかうまくいかない。
むしろ、
「自分の力で価値を作り、その対価として自由な時間を手に入れる」
という考え方のほうが近いと思う。
最初から自由になるわけではない。
仕事を作る。
信頼を積み上げる。
収入を安定させる。
仕組みを作る。
少しずつ仕事を自分の手から離していく。
そうやって、少しずつ自由な時間が増えていく。
僕自身も、そうやってここまで来た。
ボートを買ったことより、大切だったこと
マリーナに戻って、船を眺めていた。
今回は残念ながら8ノットしか出なかった。
イカ釣りにも行けなかった。
でも、船を見ながら、
「また直したら海に出られるな。」
と思った。
そして、ふと思った。
このボートを買ったことよりも、
「平日の昼間でも、自分の判断で海に出られる仕事を作ったこと」
のほうが、実は大きな意味があったんじゃないか。
ボートはお金を出せば買える。
でも、
「好きなときにボートに乗れる生活」
は、お金だけでは買えない。
その生活を支えているのは、仕事の仕組みだ。
自分で仕事を作り、自分で時間をコントロールできる状態を作る。
それがあって初めて、
「今日は海に行こう。」
という選択ができる。
そう考えると、ボートは単なる趣味の道具ではなく、
自分がどんな人生を作りたかったのかを思い出させてくれるもの
なのかもしれない。
「自由な生活」は、誰かから与えられるものではない
僕は以前、
「いつか自由になりたい。」
と思っていた。
でも、「いつか」なんて、待っていてもやってこない。
自分で作らなければならない。
会社員として働いていることが悪いわけではない。
会社員には会社員の良さがある。
安定もある。
大きな仕事にも関われる。
組織の中だからこそできることもある。
だから、全員が独立すればいいとは思っていない。
でも、
「今の働き方をあと10年続けたとき、自分はどんな人生を送っているだろう?」
これは、一度考えてみてもいいと思う。
朝から晩まで仕事をして、
休日を待って、
その休日にやりたいことを詰め込む。
それが自分の望んでいる人生なら、それでいい。
でも、
「もっと自分で時間を決めたい。」
「好きな場所で仕事をしたい。」
「家族との時間を増やしたい。」
「海に行きたいときに行けるようになりたい。」
もし、そんな気持ちが少しでもあるのなら。
働き方を変えることを考えてもいいのかもしれない。
僕が「独立」を伝えたい理由
僕は技術者として長い間、仕事をしてきた。
そして独立して、自分で会社を作り、自分で仕事を取ってきた。
その中で分かったことがある。
技術者には、会社の中で眠っている「価値」がたくさんある。
これまで何年もかけて身につけてきた知識。
現場で積み上げてきた経験。
人とのつながり。
問題を解決してきた実績。
それらは、会社を辞めた瞬間に消えるものではない。
むしろ、それまで積み上げてきた経験そのものが、自分の資産になる。
だから僕は、
「もっと自分の経験を、自分の人生のために使ってもいいんじゃないか」
と思っている。
特に、30代、40代、50代の技術者。
会社員として長年働いて、
「このまま定年まで会社にいるのかな。」
と思い始めた人。
「自分の経験をもっと自由に使いたい。」
と思っている人。
そういう人には、独立という選択肢があることを知ってほしい。
もちろん、簡単ではない。
でも、無理でもない。
僕自身が、それを経験してきたからだ。
そして、また海へ
今回のイカ釣りは、結局できなかった。
20ノット出るはずのボートが8ノットしか出ない。
原因はまさかのフジツボ。
船底を掃除して、塗装してもらうことになった。
でも、まあいい。
船底がきれいになれば、また海に出られる。
そして、今度こそイカ釣りだ。
今度はちゃんと20ノット出てほしい。
そして、イカもたくさん釣れてほしい。
奄美大島から帰ってきたばかりなのに、また函館の海に出ようとしている。
我ながら、本当に海が好きなんだと思う。
でも、最近はそれでいいと思っている。
仕事だけの人生ではなく、
→ 関連:売上より時間を選ぶ一人会社の考え方
海も、
旅行も、
ボートも、
家族との時間も、
全部ひっくるめて自分の人生だ。
そして、その人生の時間をどう使うかを、自分で決められる。
僕が独立して手に入れた、一番大きなものは、
もしかすると「お金」ではなく、
「自分の時間」
だったのかもしれない。
ボートを買ったから自由になったのではない。
独立したから、自由になったわけでもない。
自分で仕事を作り、
自分で価値を生み出し、
その結果として、
自分の時間を自分で決められるようになった。
その先に、僕の場合はボートがあった。
そして、海があった。
だから今でも、ふと思う。
「明日、海に行こうかな。」
そう思ったときに、
「いいんじゃない?行ってくれば。」
と自分で自分に言える。
これって、結構幸せなことなんじゃないかと思う。
さて。
船底がきれいになったら、今度こそイカ釣りだ。
次は8ノットじゃなく、20ノットで。
そして、イカを釣りまくってやろう。
その話は、また次回。

